1/6美プラに、布服を着せることをためらいなく推したい
2025/07/10
──「リアルさ」を求める模型表現の自由──
先日、X(旧Twitter)に、とある模型クラブのベテランの方がポストしておられた文面が目に留まりました。
そこには「1/6の美少女プラモデルに布の服を着せるのはダメだ」と断言する投稿がありました。理由は、
「プラモデルは1/6スケールでも、布は1/1スケールのままだから」
とのこと。
つまり、質感や厚みがスケールと合っていない、という理屈です。
なるほど、理屈としてはわからなくもありません。ですが、それを“ダメ”とまで言ってしまうのは、少しもったいない気がするのです。
なぜなら、「スケールモデルにリアル素材を使う」という発想そのものは、模型の世界では昔から存在していたからです。
たとえば──
1/700の艦船模型に、真鍮製のエッチングパーツで手すりやラッタルを取り付ける。
1/24のカーモデルのシートを、本物の布やフェイクレザーで張り替える。
戦車模型に、本物のチェーンや金網を使う。
鉄道模型のジオラマに、天然の砂や石を撒く。
これらはすべて、素材のスケールが違うにもかかわらず、最終的に“リアルに見える”ことを目的として採用された技法です。いずれも「マルチマテリアル表現」として、模型文化の中に長く根付いてきました。
確かに、布をそのまま縮尺世界に持ち込むと、厚みや繊維の大きさがオーバースケールに見えることもあります。けれど、それを「工夫してどう見せるか」「その素材ならではの魅力をどう活かすか」という挑戦もまた、模型の楽しみではないでしょうか。
プラモデルは自由な世界です。
メーカーが提示する“完成見本”だけが正解ではありません。
むしろ、パーツに命を吹き込み、自分のセンスと手技で“正解”を塗り替えていくことこそが、模型の本質ではないかと私は思います。
布を着せるのがダメ、ではなく。
布をどう使ったら面白くなるか──を考える方が、模型ライフはもっと豊かになるはずです。
まつり堂模型店では、1/6スケールのプラモデルに合わせた布製衣装やレザー小物、手作りのアクセサリーなども多数取り揃えています。
“縮尺の壁”を越えて、自由な発想で模型を楽しみたい方、ぜひ一度遊びに来てください。