話題の「マクドナルド転売屋問題」から考える、ガンプラ転売に対する視点
2025/08/10
話題の「マクドナルド転売屋問題」から考える、ガンプラ転売に対する視点
先日、マクドナルド×ポケモンのハッピーセットで発生した転売屋問題がSNSを駆け巡りました。おもちゃだけを抜き取って食べ物を放置する姿や、高額転売の横行が、ファンや親御さんから大きな反発を招いています。
なぜ転売が“悪い”のか?
転売を認めてしまうと、本来のファンに届かない、あるいは、高値な転売価格で買わざるを得なくなります。
限定品や人気商品は、転売屋の買い占めにより、本当に欲しい人の手に渡らなくなります。
また、メーカーや小売店が「良い商品を届けたい」という想いを裏切られるような状況は、業界全体の信頼を失い、「どうせ手に入らない」と消費者に諦めの感情を抱かせる結果を招きます。
模型ファンの目線から見た“転売”
多くの模型ファンは、転売屋に対して否定的な感情を持っています。「本当に作りたい人が買えない」「価格がつり上がってしまう」といった不満はもちろん、「希少品が単なる金儲けの道具になること」への抵抗感も強いようです。SNSでも「転売があるから新商品が楽しみではなくなった」「転売屋のせいで入手できなくなったのでガンプラ卒業します」という声も見られます。
模型ファンの目線から見た“模型店の転売対策”
一方で、模型店の転売対策については賛否が分かれます。
「購入制限や抽選は歓迎」という意見がある一方、「パーツ切り取りや開封はコレクション価値が下がるので避けてほしい」という声もあります。
つまり、ファンは“正当な購入者を守ること”と“商品価値を守ること”の両立を望んでいると言えます。
他の模型店での転売対策例
店頭で内袋開封+ランナー(パーツ枠)の一部カット
購入時にスタッフ立会いで内袋を開封し、任意のパーツをランナーから切り離して引き渡す方式。未開封・新品としての再販売価値を下げることで、転売目的の購入抑止を狙う事例が報じられています。
購入制限(お一人様1点・当日分のみ など)
新作ガンプラの入荷時に、1人1点まで/当日分のみといった数量制限を設ける店舗が多数見られます。シンプルですが需要の集中を和らげ、より多くのファンに行き渡らせる狙いがあります。
抽選販売・会員向け販売・本人確認の強化
店頭やECで“抽選販売”を採用し、本人確認(会員紐づけ)で重複購入を抑える方法。小売一般の転売対策として有効です。
箱やラベルへの押印・開封引き渡し(新品扱いを避ける工夫)
パッケージを開封して渡したり、箱裏に店印を押すなど、“未開封・新品”の価値を下げる工夫。玩具やグッズ分野では、こうした“転売対策スタンプ”製品も市販されています。
いずれの対策も、「本来の購入目的のお客様に行き渡らせる」「不正な買い占め抑止」の観点で考案されたものです。一方で、コレクション目的の“未開封重視”のお客様への配慮が必要な場合もあり、各店が地域性・客層・オペレーション負荷を踏まえて採否を判断しているのが実情です。
まつり堂模型店の立ち位置と今後の対応
まつり堂模型店としても、転売屋の存在には決して好意を持っておりません。せっかく模型をご愛好くださるお客様が適正な価格で楽しめることこそ、私たちの願いです。
現在は「転売に対してどのような実効性ある対策が可能か」を慎重に検討中です。限定品の抽選販売、会員様限定販売、購入履歴に基づく制限など、どうすれば正当なお客様が手に入れやすくなるか、皆様のご意見も伺いながら取り組んでまいります。
まつり堂模型店では、「転売かも」と感じたお客様には、2回目以降のご来店時に「先日お買い上げ頂いた○○はどうでしたか?」といった声かけを行って牽制するようにしています。せっかくのプラモデルをパーツ切り取りなどで傷つけることは望んでおらず、この問題への対応は難しい課題だと感じています。