まつり堂模型店

店長コラム:模型店における万引きの現実と向き合う

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模型店における万引きの現実と向き合う

店長コラム:模型店における万引きの現実と向き合う

2025/08/16

模型店における万引きの現実と向き合う

先日、Xで模型店が万引きに遭ったというポストが流れてきました。とても残念なことですし、これをきっかけにして自店の防犯についても考えてみました。
https://x.com/obithua/status/1955908961364009394

1. 模型ショップと万引き――見えない被害を可視化する

模型店に特化した万引き率の公式データは存在しないものの、関連業種(玩具店、ホビーショップ、家電量販店など)の傾向から推測は可能です。比較的小型かつ高価格な商品を多く扱う模型店は、ゲームソフトやトレーディングカード、カメラ機器と同様に、万引きのターゲットになりやすい構造にあります。

また、全国の商業統計から推計される万引き被害額は、1日あたり約126億円、年換算で約4,615億円にも上ると報告されています。こうした数字は、模型店への影響も決して小さくないことを示唆しています。

2. 万引き犯の心理とは――動機と人間ドラマ

万引きは単なる物理的被害を超え、深い心理的背景を伴う行為でもあります。

■ 心理的背景の分類
精神医学の研究では、万引き犯は以下のように分類されます。
衝動型:自制が効かず、衝動的に犯行に及ぶタイプ
抑うつ型:倦怠感や無力感を紛らわすために行うタイプ
趣味型:盗むこと自体を楽しむタイプ
依存・常習型:繰り返すうちに依存状態になるタイプ

■ クレプトマニア(窃盗衝動症)
盗む必要のないものを衝動的に盗んでしまう精神疾患です。衝動状態の前に強い圧迫感があり、窃盗後に安堵感が得られるのが特徴です。ただし、全体の万引き犯の中で占める割合は低いとされています。

■ 脳と心理の関係
ドーパミンやセロトニンの不均衡、依存性反応などが関与すると考えられています。盗むことで脳が快感やストレス軽減を覚える場合もあり、「自分へのご褒美」「社会への反発」などの物語的合理化によって自分を正当化する傾向があります。

3. まつり堂はどう向き合うのか

私たちが心がけているのは、人の目と心を活かした「防犯の文化づくり」です。防犯カメラや警備機器は大切ですが、それだけでなく、スタッフが「いらっしゃいませ」と声をかけること、買い物かごを勧めること、視界の届くレイアウトを維持することも抑止力となります。

模型という趣味の場を「安心して楽しめる場所」としてお客様に提供し続けるため、技術と人の目を組み合わせたセキュリティを推進してまいります。

4. 店側にも“落ち度”がなかったか、あえて考えてみる

万引きはその行為に及んだ人物が悪いのは当然です。しかし、万引きを外的な問題としてだけ捉えるのではなく、店舗側にも改善できる点はないか、自己点検する姿勢が重要です。

・店舗の雑然とした状態はないか 入荷した段ボールを店頭に積みっぱなしにしていないか。
・死角や侵入しやすい空間を作っていないか。
・商品レイアウトの適正化 小型で高額な商品はレジ近くや目につく場所へ。高額商品はショーケース収納で物理的障壁を作る。
・声かけによる心理的抑止 入店時や商品を手に取った際に声をかけることで、「見ていますよ」というメッセージを伝える。
・防犯カメラの活用度 設置だけでなく、リアルタイムで手元確認できる体制を整える。
・棚の整理整頓 商品棚をきれいに保ち、欠品や乱れを早期に発見できる状態にする。
・その他の対策例(一般論) 防犯ミラー設置、防犯ポスター掲示、防犯ゲート・タグの導入など、複数の方法を組み合わせることで効果が高まります。

5. まつり堂模型店の具体的な対策(詳しくは書けませんが)

・防犯カメラを複数設置し、スタッフがリアルタイムで手元で映像確認できる仕組みを構築
・高額商品は必ず目に見える位置へ配置
・店内に死角を作らないラック配置
・入店時の元気な挨拶で心理的抑止
・レジカウンターの他に、出入口付近にも店員カウンターを配置し、二人体制で店内全体を見渡す

万引きという課題は避けられない現実ですが、「私たちにも改善できる点はあるか?」という自己点検と、お客様への安心提供を両立させることが、長く愛されるお店づくりの第一歩だと考えています。

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