拡大を続ける日本のプラモデル市場──数字で見る近年の動向
2025/05/22
拡大を続ける日本のプラモデル市場──数字で見る近年の動向
日本国内におけるプラモデル市場は、近年、着実な拡大を見せています。特に2020年以降、新型コロナウイルス感染症による「おうち時間」の増加がきっかけとなり、プラモデル製作という趣味に注目が集まりました。
経済産業省の統計によると、2020年3月以降、プラモデルの出荷量は右肩上がりで推移し、2021年4月には出荷指数が過去最高水準に達しました。この時期、多くの模型メーカーでは人気商品の一時的な品薄や予約制の導入が見られるなど、市場が一気に活性化したことがうかがえます。
この流れは一過性のブームにとどまらず、2022年、2023年といったコロナ後の期間においても継続しています。実際に、2023年度のホビー市場(プラモデル・フィギュアを含む)は前年比で約79億円増加し、市場規模は1,749億円に達しました。これは、プラモデルが単なる趣味の枠を超え、幅広い層に受け入れられた結果と言えるでしょう。
また、ユーザー数の増加も市場拡大を裏付ける要因です。2023年時点での国内プラモデルユーザーは約89万人に上り、1人あたりの年間平均消費額は35,030円と前年より増加しています。新規ユーザーの参入に加え、既存ユーザーの“本格化”も、継続的な需要を支えています。
市場拡大の背景には、模型メーカー各社の新製品開発力や、SNSによる作品共有文化、そして海外市場の成長など、複数の要因があります。特に「ガンプラ」を中心とするキャラクターモデルの人気は根強く、若年層から中高年層まで幅広い支持を得ています。さらに、インバウンド需要や輸出の伸びも加わり、日本製プラモデルの国際的な評価が高まっていることも見逃せません。
このように、国内のプラモデル市場は、2020年以降の追い風を受けて明らかに拡大しています。今後もその成長は続くと見られており、ホビー業界全体にとって重要な柱となりつつあります。