まつり堂模型店

下関市の模型店事情──近年の活況と市場の適正規模とは

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下関市の模型店事情──近年の活況と市場の適正規模とは

下関市の模型店事情──近年の活況と市場の適正規模とは

2025/06/20

下関市に広がる模型文化──店舗増加と今後のゆくえ

このわずか半年、下関市内で模型関連の店舗が相次いでオープンしています。

これまで営業していた「プレイバック」「ラジコン天国」「ホビーオフ新下関店」に加え、2024年には「まつり堂模型店」が登場。さらに2025年に入ってからは、鉄道関連ホビー専門の「sMALL wOLD」、ミニ四駆常設コースを備えた「R3ストア」、そしてホームセンターDCMによるプラモデル販売の開始と、模型を扱う店舗のすそ野が急速に広がりつつあります。

下関市のような地方都市において、こうした動きはやや珍しく、注目に値します。

下関市は「模型店不毛の地」とされていた?

つい最近まで、下関市内で模型店の運営は難しいという見方もありました。

市内から車で30〜40分圏内に、政令指定都市・北九州市(特に小倉北区)があるため、大手の模型専門店や量販店が豊富な小倉へと購買行動が流れる傾向が強く、過去にはチェーンの模型店が出店後に撤退を繰り返した例もあります。

このような経緯もあり、業界の一部では「下関は模型店が根づきにくい地域」という印象が語られることもありました。

しかし、2024年に登場した「まつり堂模型店」は、そうした空気の中で、比較的新しいジャンル(美少女プラモデル、ドール、ウォーハンマー)や実演・接客を重視する店舗運営によって、地元層に一定の支持を得てきました。結果的に、「下関にも模型文化を楽しむ市場がある」という印象が少しずつ広まり始めたのかもしれません。

人口あたりの模型店数は、すでに全国的にも多め

ただ一方で、現在の下関市における模型店数は、人口規模に対してやや多い状況になりつつあるとも考えられます。

下関市の人口は約24万人。一般的に模型店の「適正数」は、都市規模にもよりますが、専門性の高い店が2〜3軒あれば十分とされるケースが多く、それを上回る数の店舗が営業している状況です。

しかも、それぞれの店舗がジャンルやスタイルの違いはあるものの、一定程度は顧客層が重複する可能性も否定できません。加えて、北九州市の商圏も重なることを考えると、今後は店舗同士がより明確に特徴や強みを持ち、差別化を図ることが求められる局面に入ったと見る向きもあります。

地域として育ち始めた「模型文化」

それでも、下関市における模型店の増加は、「模型に触れられる場所」が身近になったという点で大きな意味を持ちます。

子どもたちがミニ四駆にふれたり、初心者が鉄道模型を手に取ったり、趣味を再開したい中高年が工具や塗料をそろえたりと、趣味への入り口が増えたことは間違いありません。

今後は、店舗単体での努力だけでなく、地域として模型文化をどう定着させるかが鍵となります。模型イベントの開催、学校や地域団体との連携、高齢者向けの模型ワークショップなど、より広い層にとって親しみやすい活動が求められていくかもしれません。

模型人口に対して店舗数がやや多くなっている現状は、地域の中小店舗にとっての課題であると同時に、新たな文化や交流が育つ土壌でもあります。下関が、ただの「通過点」ではなく、「模型を楽しめる町」として定着するかどうかは、これからの取り組みにかかっていると言えそうです。

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