店長コラム:「プラモデルは自由だ!」再考
2025/08/25
「プラモデルは自由だ!」再考
正直に告白します。
メイドねろこさんが「タミヤの1/48 10式戦車をGXメタルパープルで塗装します!」と聞いたとき、私は心の中で「それはちょっととんでもないものになるんじゃないか……?」と思っていました。
戦車といえば迷彩、もしくは実車に近いグレーやオリーブドラブなど地味な色で塗装するのが「常識」だと信じ込んでいて、メタリックで紫色の10式なんて想像がつかなかったからです。
ところが、できあがった作品を見た瞬間にその考えは吹き飛びました。鮮やかな紫の装甲は、まるで高級車のような光沢を放ち、戦車であるにもかかわらず優雅で気品ある存在感を漂わせていたのです。正直、驚きました。
そして、「プラモデルは自由だ」と言いながら、いかに自分がこれまで自由から遠く、手堅さと“ほどほどの満足感”に甘んじていたかを思い知らされました。
今の時代、求められるのは「自由」
近年の模型展示会やコンテストを見ていると、従来の“実物に忠実な仕上げ”に加え、自由な発想で作られた作品が増えています。鮮やかなパステルカラーで仕上げられた戦車や、アニメ的なアレンジが施された飛行機など、「正解」に縛られない楽しみ方が広がっているのです。
特に顕著なのが美少女プラモデルの世界です。フレームアームズ・ガールやメガミデバイス、30MSなどでは、パーツの“ミキシング”が当たり前になり、頭部だけを差し替えたり、複数キットを組み合わせて自分だけのキャラクターを生み出す楽しみ方が一般化しました。SNSでも「この子はここから、この武装はあのシリーズから」といった自由な作品発表が日常的に行われています。
これはつまり、自由に楽しむ人が確実に増えているということです。模型はもはや「説明書通りに組み立てるもの」ではなく、「自分の発想を形にするもの」へと変化しつつあります。
模型は自由!その幅広さ
プラモデルが自由なのは、塗装やミキシングだけではありません。
素組みで満足するのも自由:塗装しなくても、組み立てそのものの楽しさを味わえます。
徹底的に改造するのも自由:プラバンやパテを使い、全く新しいデザインに作り替える人もいます。
ウェザリングで汚すのも、ショールーム仕上げにするのも自由:同じキットでもアプローチは無限大。
展示方法も自由:ジオラマで世界観を構築しても、単品でアートのように飾っても立派な完成形です。
そして、まつり堂模型店には、そうした自由な「発想」を「実現」するためのアイテムが豊富に揃っています。
各メーカー・ブランドの膨大な色数の塗料、精密な工具類、オリジナルカラーを生み出すミキシングキット、光で作品を演出するLED、そして改造に欠かせないプラバンやプラ棒……。すべてが皆さんの創造力を後押しします。
あらためて、ねろこさんの紫の10式戦車を見て私は思いました。
プラモデルは自由であっていい。もっと自由に楽しんでいい。
そして、その自由な挑戦を、まつり堂模型店は全力で応援します。