まつり堂模型店

なぜ親御さんは模型店を嫌うのか

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なぜ親御さんは模型店を嫌うのか

なぜ親御さんは模型店を嫌うのか

2025/08/27

なぜ親御さんは模型店を嫌うのか

模型店を営んでいると、ときどき耳にする言葉があります。
「親が嫌がるから模型屋には行けなかった」
「小さい頃は連れて行ってもらえなかった」。
どうして親御さんは、模型店を敬遠してしまうのでしょうか。

親御さんが抱える不安とは

もっとも大きいのは「お金がかかる」というイメージです。プラモデルは本体だけでなく、塗料や道具も必要になります。終わりのない趣味に見えることで、「家計に響くのでは」と不安に思われやすいのです。

次に多いのは「散らかる」「におう」という印象。確かにランナーの切れ端や削りかすは床に落ちますし、塗料のにおいは換気に注意が必要です。リビングを共有する家庭では、特に気を遣うポイントでしょう。

さらに「時間がかかる」「途中で投げ出すかもしれない」「完成しても遊べない」といった疑念もあります。特に子どもがまだ小さいうちは、親御さんが横について手を貸さなければならないことも多く、それが煩わしさにつながる場合があります。

その結果、「だったらスマホやゲームを与えておいた方が楽だ」と考えてしまう親御さんも少なくありません。こうした感覚が、模型店や模型趣味を敬遠する心理につながっているのです。

模型店が嫌われる五つの理由

整理すると、親御さんが模型店を嫌う理由は五つに集約できます。
1.家計の不安(キットが数千円と高額、終わりのない出費のイメージ)
2.生活環境への不安(散らかり・におい・安全性)
3.時間と成果への不安(完成までが長く、挫折リスクも高い)
4.心理的ハードル(親御さん自身が経験が無い世界、専門用語や“オタク趣味”の偏見)
5.店舗側の配慮不足(価格や必要度の説明が足りない)
つまり「親にとって現実的な負担や不安」が大きいのです。

模型店としてできること

まつり堂模型店では、親御さんが安心して子どもを連れて来られるように、そして子どもたちが模型の楽しさを心から感じられるよう、いくつかの取り組みを行っています。

まず、安価で教育的な価値を持つキットを充実させることです。恐竜の骨格模型や宇宙探査機のプラモデルなど、科学や歴史に触れながら作れる商品を揃えています。「恐竜の骨格を組み立てながら進化を学ぶ」「宇宙探査機を作りながら惑星探査を知る」といった体験は、遊びと学びが自然に結びつきます。

次に、子どもたちのスキルに応じた提案を大切にしています。初めてニッパーを持つ子には組み立てやすいスナップフィット式のキットを、慣れてきた子には塗装や細かい加工が必要なキットを紹介し、成長に合わせて少しずつステップアップできるよう心がけています。工具についても、必要最低限から始められるよう丁寧に案内しています。

さらに、まつり堂模型店は「プラモデルは楽しいもの」であることを積極的に発信しています。作り上げたときの達成感や、自分だけの作品を完成させる満足感を、子どもたち自身が感じられるように工夫しています。「完成した瞬間の笑顔」を大切にし、やりがいがあることをしっかり伝えています。

そして最後に、入りやすいお店と丁寧な接客です。模型店というと“敷居が高い”“専門的すぎる”と感じられがちですが、当店では初心者や親子連れでも気軽に立ち寄れる雰囲気を心がけています。スタッフは親切に質問に答え、わからないことがあっても安心して聞ける環境を整えています。

まつり堂模型店にとって模型は「ただの道具や商品」ではなく、子どもたちの学びと成長を支え、親子の時間を豊かにする大切な体験です。

科学的エビデンスが示す「模型の価値」

実は模型づくりは、教育的な観点からも有益であることが研究で明らかになっています。

たとえば、微細運動と呼ばれる指先の器用さや注意力は、小学校における算数や読解の成績を強く予測することが知られており、プラモデルのニッパー作業や筆運びといった繊細な動きはまさにその訓練になります。

また、空間認知能力は教育の基盤とされ、200を超える研究をまとめたメタ分析では、訓練によって中程度の効果で向上することが示されました。模型の説明図を読み解き、立体を組み上げる作業はこの空間認知を鍛える絶好の機会となります。

さらに、ブロックやパズルなどの構成遊びが空間スキルの発達に寄与することも報告されており、模型づくりはその高度な形として位置づけることができます。

加えて、物語性と工作を組み合わせる活動が幼少期の学習に効果をもたらすことも示されており、戦艦を作って海のジオラマに置く、キャラクターを組み立てて情景をつくるといった体験は、科学的にも価値ある学びであると言えるのです。

おわりに

実際のところ、親御さんの中には「模型そのものが無駄だ」「やっても意味がない」と感じて、はじめから否定的な態度をとる方も少なくありません。その現実を無視することはできません。しかし同時に、多くの親御さんが感じているのは「費用や生活環境への負担」といった実務的な不安です。

つまり、模型そのものを嫌っているケースと、状況的な理由で避けているケースの両方が存在するのです。 だからこそ、模型店には二つの使命があります。

一つは、実際の負担を軽減する具体的な工夫を提示すること。

もう一つは、模型づくりの教育的・創造的な価値をわかりやすく伝え、否定的な印象を少しずつ溶かしていくことです。

模型は単なる娯楽ではなく、子どもの集中力や空間認知を育み、想像力を広げる豊かな体験です。親御さんにとっても「単なる散財」ではなく「未来への投資」と感じてもらえるように、まつり堂模型店は今日も工夫を重ねています。

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