まつり堂模型店

ガンプラ争奪戦終焉? ─ リックドム大量入荷の意味

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ガンプラ争奪戦終焉? ─ リックドム大量入荷の意味

ガンプラ争奪戦終焉? ─ リックドム大量入荷の意味

2025/09/20

ガンプラ争奪戦終焉? ─ リックドム大量入荷の意味

まつり堂模型店は2024年12月に開店したばかりの、まだまだ弱小の新規模型店です。大手量販店のように潤沢な仕入れができるわけではなく、またガンダムベースのような専門拠点と違い、最新商品や限定品を大量に抱える力もありません。だからこそ、「ガンプラ争奪戦」という言葉は、これまで当店にとって常に切実な現実でした。

これまで新商品が入荷しても、せいぜい わずか数個。人気キットであれば「1個だけ」なんてことも当たり前で、お客様から「もっと欲しいのに」と言われても、店としてはどうしようもない状況でした。ガンダムベース限定品やプレミアムバンダイ販売品はそもそも流通してこないため、当店の棚に並ぶことは一度もありません。開業してからずっと、「欲しい方に数を行き渡らせられない」苦しさと向き合ってきました。

ところが今回発売された HG 1/144 リックドム(ガイア機/オルテガ機) は、まつり堂模型店にとって画期的な出来事となりました。なんと開店以来初めて、発注量が100%入荷したのです。これまでは「欲しい数を注文しても、その半分どころか数個しか来ない」のが常識でした。それが今回は希望した数量すべてが届き、しっかり棚に並べられた──弱小店としては、これ以上ないほどの喜びです。

ただし、これをもって「ガンプラ争奪戦は終わった」と結論づけるのは早計です。まつり堂模型店でも、再生産品の入荷は依然として厳しいのが現実だからです。人気ガンダムや定番機体の再販日は、お客様が朝から狙ってご来店くださいます。しかし、入荷した商品はあっという間に姿を消し、「せっかく来たのに」と舌打ちしながら帰られる方を何人も見送ってきました。都会の量販店で見られるような押し合いへし合いの“争奪戦”こそ起きてはいませんが、期待して来店したお客様の落胆は、地方の小さな弱小店であっても確実に存在しているのです。

健全化への道筋、しかし未来はまだ不透明

リックドムの大量入荷は「ようやく健全化への道筋が見え始めた」と言える出来事でした。しかし、ここから先が本当に安定した未来につながるのかどうかは、まったくの未知数です。

まず、新商品について。今回のように「販売した分だけ入荷した」という経験は、当店にとって初めてのことでしたが、今後もそれが継続する保証はどこにもありません。次の新作がまた同じように希望数量どおり届くか、それとも従来のように数個だけに逆戻りしてしまうのか──不安は拭えません。

再販品についても同様です。お客様から最も求められているのは、過去の人気キットがもう一度手に入る「再生産品」ですが、これが希望数量どおりに入荷する日は、まだ訪れていません。結局のところ「欲しい人に行き渡らない」状況は変わらず、再販日には瞬間蒸発し、お客様が落胆して帰られる姿を目にせざるを得ないのです。

さらに言えば、今後もバンダイ直営の ガンダムベースや大型量販店に商品が集中する構造は大きく変わらないでしょう。弱小店であるまつり堂模型店は、常にその余波を受け、仕入れ面で苦戦を強いられることは容易に想像できます。全国のファンに平等に商品が行き渡るのが理想ですが、現実はなかなかそこに近づけません。

それでも当店としては、せめて 「希望した数量が確実に入荷し、欲しいお客様の手に渡る」 未来を願っています。新作も再販品も、買いたい人が正規ルートで普通に買える──そのシンプルな当たり前が戻ってくれば、お店もお客様も幸せです。

そして、これをきっかけに 転売屋が滅びればいい と心から思っています。彼らの存在がガンプラ市場を歪め、ファンの楽しみを奪ってきたのは紛れもない事実だからです。

もちろん、それを実現できるかどうかは、最終的にはメーカーであるバンダイの努力にかかっています。今回のリックドムのような大量入荷を一度きりの例外に終わらせず、継続的な生産体制の強化と流通の公平化を進めていただきたい──まつり堂模型店は、そうした未来に大きな期待を寄せています。

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