まつり堂模型店

“もう少し良くしたい”が、世界を前に進める

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“もう少し良くしたい”が、世界を前に進める

“もう少し良くしたい”が、世界を前に進める

2025/10/27

まつり堂模型店のオリジナル商品づくり


私たちの身の回りにあるほとんどの「便利なもの」や「人気商品」は、誰かのアイデアをもとに改良され、進化してきたものです。
新しいスマホも、新しい模型道具も、まったくゼロから生まれたわけではありません。最初のきっかけはいつも、「これをもっと使いやすくしたい」「ここを変えたらもっと良くなるのでは?」という、“真似からの一歩”なのです。

■ 模倣は創造のはじまり

「真似る」という言葉には、どこか後ろめたい響きがあります。しかし、歴史をひもとけば、模倣こそが人間の創造の原点です。
たとえば、古代の陶器も、最初は木の器を真似て焼き固めたものだったといわれます。筆も、動物の毛を束ねた自然素材の“コピー”から始まりました。
技術はいつも、誰かが生み出した仕組みを「観察し、理解し、改良する」ことで磨かれていきます。真似るとは、単に形を写すことではなく、“良いところを学び、さらに上を目指す”ことなのです。

■ ウォークマンもiPhoneも、真似から始まった

「世界を変えた」と言われる名機にも、必ず先行モデルがあります。
ソニーのウォークマンは、実はポータブルテープレコーダーからの発想でした。録音機能を削り、音楽を持ち歩くことに特化させただけで、まったく新しい市場を生み出しました。
アップルのiPhoneも同じです。スマートフォンの原型は、すでにパームやブラックベリーが存在していました。iPhoneは「タッチ操作をより直感的に」「画面を広く、美しく」という改良を重ねた結果、爆発的な人気を得たのです。

これらの成功例は、「真似をしてはいけない」という発想では決して生まれませんでした。むしろ、“既存のものをどう良くできるか”という探求心が、時代を変えるイノベーションにつながったのです。

■ 改良の積み重ねが、進化を生む

私たちが普段使う工具や塗料も、長い年月をかけて改良が重ねられてきました。筆の形状、塗料瓶の開けやすさ、キャップの密閉度――それぞれに誰かの「もっと良くしたい」という改良の跡があります。
今、店頭に並ぶ“定番商品”も、最初から完璧だったわけではありません。数多くのメーカーが似たアイデアを出し合い、互いに刺激し合いながら、少しずつ完成度を高めていったのです。
模型の世界でも同じことが言えます。 たとえば、同じ1/144スケールのガンプラでも、10年前と現在では、構造も精度も全く違います。関節構造や分割設計、塗装のしやすさ――すべてが改良の結果です。つまり、過去の「誰かの工夫」を真似て、さらにその上に自分の工夫を重ねる。その繰り返しが“進化”という形で現れているのです。

■ 「真似」は罪ではなく、文化の継承

伝統工芸の職人たちも、まずは“模倣”から始めます。
師匠の技を見て、同じように再現できるまで練習する。そこから少しずつ、自分の色を加えていく。これを“守破離(しゅはり)”と言います。 模倣は「守」であり、創造は「破」や「離」の段階です。つまり、真似ることは学びの第一歩であり、創造のスタートラインなのです。
模型制作にも、この考え方は通じます。 他のモデラーの作品を参考にしたり、塗装レシピを真似したりするのは、ごく自然なことです。そこから学んだ表現を、自分なりに発展させていく。それこそが、モデラーの成長のプロセスです。

■ 「同じように見える」ことの裏にある努力

世の中の製品は、ぱっと見では似ていても、中身はまったく異なることがあります。
例えば、同じ形のペンでも、書き心地が違う。 同じ形の筆でも、毛の種類や密度が違う。 そこには、素材の選定や生産工程の工夫、長期的な試行錯誤が詰まっています。 消費者から見れば「似たような商品が増えた」と思うかもしれません。
しかしその裏では、メーカーや職人たちが「より良くするにはどうすればいいか」と地道に考え、改善を重ねているのです。 それは決して「模倣」ではなく、「改良」「継承」「進化」と呼ぶべき努力です。

■ 進歩を止めないために

もし、「先行商品をまねてはいけない」と誰かが言ったら、世界はすぐに止まってしまうでしょう。 冷蔵庫もテレビも自動車も、先人の発明を真似し、改良してきたからこそ、今の姿があります。
プラモデルだって、戦後のブリキ玩具や木製模型を真似して始まり、今では精密な芸術作品へと進化しました。
“似ている”ことを恐れていては、新しい挑戦は生まれません。 大切なのは、どんなに似ていても「そこに新しい価値を加えられたか」「より良い体験を提供できるか」です。 模倣から始まり、工夫を重ね、改良によって差を生み出す。その繰り返しが、文明の進歩そのものなのです。

■ まつり堂模型店が信じていること

私たちまつり堂模型店も、日々たくさんの「便利」を見つめ、考えています。
既存のものを観察し、「これをこうしたらもっと使いやすい」「もっと美しく見える」と試行錯誤する。 それは、決して他人を真似することではなく、「次の一歩を作ること」だと思っています。 新しいアイデアは、過去の知恵の延長線上にあります。 だからこそ、“真似ることを恐れず、改良する勇気を持つこと”。それが、ものづくりに携わる者の責任であり、喜びでもあります。

世界は、真似によって成り立ち、改良によって進歩してきました。 真似とは、創造の入口。 模倣の先にこそ、新しい価値と文化が生まれます。 まつり堂模型店も、これからもそんな「次の一歩」を大切にしながら、モデラーの皆さんとともに歩んでいきたいと思います。

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