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もしAB型男と O型女が模型店を始めたら

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2025/11/14

精密計画 vs. 天才的カオスの仁義なき戦い

血液型占いは似非科学だ、とよく言われる。
A型は几帳面、B型はマイペース、O型は大胆、AB型は二面性……。これらは一般論に過ぎない、と科学好きの私は思う。

しかし一方で、血液型とは抗原抗体反応——生命の根源にある、生化学的“反応の仕組み”であり、外部刺激にどう反応するかの基本設定でもある。  

となれば、脳内の神経伝達メカニズムにだって多少は影響があるだろうし、思考や行動のクセに“表現型”として現れるのも、完全には否定できない。  

ここまでは科学的な話。  

ではここからは、もっと身近で、もっと深刻で、もっと笑える話をしよう。  
AB型店長(私)と O型メイド(ねろこ)が、模型店を一緒にやるとどうなるのか。

■ AB型店長の「完璧な計画」は、朝の開店10分で崩壊する  

ある日の午前8時30分。  
私は開店準備をしながら、今日も綿密な計画を立てていた。
・棚の構成比率
・新作コーナーの導線
・おすすめ棚 → 塗料 → 創彩 → ドール → スケモの循環動線
・POPの配置
・開催中のキャンペーン内容率
・接客で使う統一フレーズ  
さらにバックヤードには、AB型らしく“接客標準手順書 ver.6.3”がある。  

「お客様が店に入ったら3秒以内に挨拶」
「商品説明はSTEP3まで」
「過度に話しかけない」
など、科学的な接客行動の最適化を追求した自信作だ。  

この緻密な準備、論理的な配置、完璧な導線。  ——これが開店直前、8時40分には崩壊する。  

理由はもちろん、O型の嵐・ねろこである。

■ O型ねろこ、店長の計画を“直感”で破壊する  

開店直後、ねろこが明るく飛び出してくる。
「おびおさ〜んっ!!今日のお店、もっと“かわいく”したら絶対売れますよぉ!!🥰✨」  

いや、“かわいく”とはどういう指標なのか。  
細分化されたジャンルの棚を突然混ぜるのは導線最適化に反するのだが。

「ここに美少女置いて〜、横にウォーハンマー置いて〜、後ろに痛車!! 絶対この方が楽しいですよ!!!😇🙌」  

楽しいかどうかは主観だが、その瞬間、ねろこは棚全体のレイアウトを約2分で入れ替えてしまう。  
AB型店長が3時間かけて作り込んだ“論理的美”は一撃で崩壊。  
しかしここからが問題だ。

■ ねろこの“カオス陳列”なのに、売れる  

お客様がご来店。
「この店、なんかワクワクしますねぇ!」
「美プラの隣にウォーハンマー並んでるの珍しいですね。あ、これも買っていこう」  

……なぜだ。  AB型店長の論理的導線では起きなかった“相乗購入”が発生している。  

さらに、私の作成した接客標準手順書 ver.6.3 を無視してねろこは笑顔ウザく話しかける。
「こんにちはぁ〜!!今日のおすすめはこれですよっ!!🥰」  

科学的には“ウザすぎな店員は離反につながる”はずなのに、
「お姉さん元気だねぇ!じゃあついでにこれも」  

……なぜだ。  なぜ売れるんだ。

■ AB型店長、イベント計画を立てる → O型ねろこ、壊す → 成功する  

シタデルの販促グッズを 3Dプリンターで作成した。これでシタデルカラーの売り上げは倍増のはずだ。  
私はパワーポイントでおしゃれなポスターを作った。
◎告知ツイート
◎POP設置
◎サンプル展示位置
◎売れ筋補充タイミング
これは完璧な計画だ。  

だがキャンペーン開催当日、ねろこが急に言う。
「おびおさん!!今日すっごい天気いいんで、入口に“可愛いコーナー”置いちゃいましょう!! お客さん来たらテンション上がります!!」  

いや、入口に“可愛いコーナー”とは。  
それ私の計画、根本から崩すやつでは。  
しかし実行される。  
そして結果。
「なんか楽しそうな店だな」
「このコーナーが目に入って寄っちゃいました」  
売上が跳ね上がる。  

私の綿密なオペレーション計画を完全無視して成功してしまう。  
なぜだ。  
なぜO型の“勢い”が科学と計画を上回るんだ。

■ AB型店長、深夜に分析。だが結論は……  

閉店後、私は売り上げ表とねろこの動きを分析する。
・陳列を乱す → 売れる
・ウザく話しかける → 売れる
・手順を無視する → 売れる
・計画を壊す → 売れる
・突然コーナーを作る → 売れる  

ど、どういうことだ。  
知性派AB型店長、アホなO型メイドに完全に敗北。  
結論はひとつしかない。

■ ねろこは“抗原抗体反応の塊”だ  

外部刺激への反応速度が異常に速い。  
気分と雰囲気を察知するセンスが天才的だ。  

免疫反応的な「察知→即対応」が彼女の脳内で常に働き、結果として、模型店にとって“最適解”へ瞬間移動してしまう。  

私は論理で考え、ねろこは生命反応で動く。  
この違いが、店を奇妙に、しかし最強にしている。

■ 最終結論:AB型の計画を破壊するO型がいた方が、店はうまくいく  

模型店は、生体のようなものだ。  
そこには秩序があり、カオスがあり、外部刺激への反応がある。  
AB型の私は、知性を活かして、骨格・構造・仕組みを作る。  
O型ねろこは、アホを活かして、血流・勢い・生命力を注ぐ。  

どちらが欠けても、店は動かない。  
どちらが強すぎても、店は倒れる。  

しかし——  
両方が揃うと、なぜか売上が伸びる。  
それはもう、科学とか統計とかの問題ではない。  
血液型云々の話ではなく、生命の化学反応そのものなのだ。  

今日もまつり堂模型店は、  
AB型店長の緻密な計画がO型メイドの一撃で吹き飛びつつ、  
なぜか絶好調で走っている。  

 それでいい。  
 それがいい。

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