5万点の在庫が語る物語
2026/01/17
新年あけましておめでとうございます
遅くなりましたが、みなさま、新年あけましておめでとうございます。
まつり堂模型店店長おびお(お)です。
本年も、まつり堂模型店をどうぞよろしくお願いいたします。
さて、新年最初の店長コラムは、少し変わった切り口から始めたいと思います。
タイトルは「5万点の在庫が語る物語」。
店舗は毎年「棚卸」をしなければならないことが、正しい納税を行うための事実上の義務です。
その結果、店舗での在庫数がわかります。
まつり堂模型店の在庫は倉庫も併せ、5万点。
個人経営の模型店としては、5万点という店頭在庫は決して小さくありません。でも私にとってこの数字は、誇示するためのものではなく、これまで積み重ねてきた選択の結果です。
この箱は、あのお客様が探していたから仕入れた。
この塗料は、初めて来店した方が「使ってみたい」と言ってくれたから残した。
このキットは、売れ筋じゃないけれど「好きな人が必ずいる」と信じて並べ続けた。
こんなもの、誰も興味を持たないだろうけれど、自分が好きだから仕入れた。
5万点の在庫は、単なる「モノの山」ではありません。
そこには、お客様との会話、迷い、失敗、そして「これを置きたい」という店の意思が詰まっています。
もちろん、在庫を持つことはリスクです。最小の在庫で、仕入れたものが次々に売れていくのが、金儲けの観点からいえば理想です。売れなければ資金は動かず、管理も大変です。
それでもなお、この店が「選ぶ楽しさ」「偶然の出会い」「思わぬ発見」を大切にしたいと思う限り、在庫は減らしすぎてはいけない。私はそう考えています。
模型は効率だけで語れない趣味です。
必要なものを最短で買うだけなら、もっと便利な方法はいくらでもある。でも、棚の前で立ち止まり、「こんなのあったんだ」と心が動く瞬間こそが、模型店の存在理由だと思うのです。
まつり堂模型店の実質2年目。新しい年も、5万点の在庫は静かに語りかけてきます。
「これを作ってみませんか」
「久しぶりに、手を動かしませんか」と。
本年も、皆さま一人ひとりの物語が、この店の棚から始まることを願っております。
どうぞ、ゆっくり見ていってください。