はじめての艦船模型、選ぶならどれ？ 日本海軍艦艇モデルの選び方入門

――幻想の超絶作品より、“艦の記憶”を楽しもう――

こんにちは、まつり堂模型店です。
 

艦船模型、それも日本海軍の艦艇をテーマにしたプラモデル――。
その姿に心を奪われた瞬間、「よし、これを作ろう」と手を伸ばす方も多いはず。

ですが、最初にお伝えしておきます。

艦船模型は、実は「プラモデル入門」にはあまり向いていません。
 

最近では「塗装不要」「接着剤不要」のスナップフィットキットも増えてきましたが、こと艦船模型に関しては、まだまだ“玄人志向”のジャンルといってよいでしょう。
その理由と、選び方のコツを、模型店としてご案内します。
 

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■ 1/350か？ 1/700か？　スケールの違いを理解しよう
 

まず悩ましいのが、スケール問題です。日本海軍艦艇の模型は主にこの2つのスケールで展開されています。
 

◯ 1/350スケール

・大型で迫力満点。存在感は文句なし
・ディテールも精密で、塗装やウェザリングで映える
・ただし、パーツ数が多く、製作に時間がかかる
・一方でパーツは大きめなので老眼の方には優しいという声も・・・
・置き場所に困ることもしばしば
 

◯ 1/700スケール

・サイズがコンパクトで、コレクション性が高い
・製品バリエーションが豊富なので、さまざまな艦を組むことができる
・製作時間も比較的短く、気軽に始められる
・ただし、パーツが小さく、精密感を出すには技術が必要
・ディテールはスケールなりの表現になる
 

初心者の方には1/700がオススメですが、精密な塗装や改造に挑戦したい方には1/350も魅力的です。迷ったら、まずは1/700で雰囲気をつかんでみてはいかがでしょう。
 

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■ 1/700の「三大ブランド」の違いを知っておこう
 

1/700スケールには、主に以下の3ブランドがあります。
 

◯ ピットロード

・現用艦や外国艦、海上自衛隊など幅広いラインナップ
・日本海軍艦艇も網羅されており、ニッチな艦もカバー
・金型が比較的新しく、シャープな造形のものが多い
 

◯ ウォーターラインシリーズ（タミヤ・アオシマ・ハセガワ共同）

・言わずと知れたスタンダード
・古い金型が多いが、組みやすさは抜群
・初心者にもおすすめ。塗装やディテールアップで大化けするポテンシャルあり
 

◯ フジミ模型（特に「特シリーズ」）

・細部の再現度が高く、密度感のあるキット多数
・価格もやや高め、組み立て難度も中～上級者向け
・上級モデラーに人気。ただし初心者にはハードルが高いことも
 

当店のおすすめは、ウォーターラインシリーズの「戦艦」モデルです。特に「大和」「長門」「金剛」など、象徴的な艦船は資料も多く、完成時の達成感もひとしお。難易度は中程度、でも満足度は高い。まさに最初の1隻にふさわしい存在です。
 

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■ ネットの“超絶完成品”は幻想です
 

SNSや動画サイトには、信じられないような完成度の艦船模型があふれています。精密すぎる手すり、繊細すぎる張り線、リアルすぎる海面エフェクト――。

でも、あれはあくまで「到達点の一つ」です。
初心者がいきなりあのレベルを目指すと、心が折れます。
 

むしろ大切なのは、自分の手で船を組み上げるプロセスを楽しむこと。
そしてその艦がたどった歴史、最後に消えた海の中へ、そっと思いをはせること。

模型とは、ただの「完成品」を買う遊びではなく、「記憶」を手でたどる旅でもあるのです。
 

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■ 最初の一隻に、ちょっといい戦艦を
 

というわけで、艦船模型を始めたい方へのおすすめは――

ウォーターラインシリーズの戦艦。
組みやすく、存在感があり、資料も豊富。
飾っても映えるし、そこから「空母も作りたい」「重巡にも挑戦したい」と世界が広がります。

完成度よりも、「作った時間」が自分の宝物になる。
そんな艦船模型の世界、ぜひ一度のぞいてみてください。
 

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※当店「まつり堂模型店」では、各種艦船模型を取りそろえております。ご来店時には、スタッフまでお気軽にお声がけください。歴戦の艦艇たちが、あなたの来航をお待ちしています。

冒頭の写真はモデラーメイドのねろこさんが素組みした戦艦「榛名」です