まつり堂模型店

三菱と中島、二つの五二型 ― ファインモールド零戦の楽しみ方

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三菱と中島、二つの五二型 ― ファインモールド零戦の楽しみ方

三菱と中島、二つの五二型 ― ファインモールド零戦の楽しみ方

2025/08/14

零式艦上戦闘機五二型は、太平洋戦争後期において日本海軍の主力戦闘機として活躍した零戦の完成形ともいえる型式です。初期型から改良を重ね、機首や翼端形状、武装、防弾装備、燃料搭載量など多方面に手が加えられました。中でも五二型は速度性能の向上と航続距離のバランスに優れ、1944年以降の戦局で最後まで空を守り抜いた存在でした。
 

そんな五二型ですが、製造を担ったメーカーによって外観や細部仕様に違いがあります。主な生産は三菱重工と中島飛行機。三菱製はやや青みがかった濃緑色の上面塗装と明るめの灰緑色の下面色、防眩塗装は短く機首上面の一部に留まるのが特徴。垂直尾翼は前縁が直線的で、やや角張った印象です。一方、中島製は黄みがかった濃緑色の上面、青みを帯びた灰色の下面、防眩塗装は風防手前まで長く伸び、尾翼の前縁は丸みを帯びています。またプロペラ形状も異なり、三菱は細身でシャープ、中島は幅広で丸みがあるといった違いが見られます。
 

ファインモールドの1/48スケールキットは、この「製造元による個性」を忠実に再現しているのが大きな魅力です。カウリングのラインやパネル配置、垂直尾翼の微妙なカーブ、プロペラブレードの断面形状まで、実機の写真資料と綿密なリサーチを元に設計。胴体や主翼のモールドはシャープで、リベット表現もスケール感に合った繊細さを持っています。パーツ構成は細部まで作り込みつつも過剰な分割は避けられており、初心者でも組みやすい一方で、熟練モデラーが塗装やウェザリングで徹底的に仕上げる余地もあります。
 

特にこのシリーズの面白い点は、三菱製と中島製を同時に並べて比較できること。完成後に横に置くと、塗装色やシルエット、細部形状の違いが視覚的にわかり、まるで「零戦の系譜展示」を自宅で楽しめるような感覚になります。さらに史実を調べて、どの部隊の所属機に仕立てるか考えるのも模型の醍醐味。空母艦載時代の迷彩やマーキング、陸上基地所属機の汚れや褪色を再現すれば、歴史背景とリンクした作品になります。
 

まつり堂模型店では、このファインモールド製の零戦五二型キットを三菱製と中島製の両方とも取り揃えています。精密な造形で製造差を体感できる貴重なキットは、零戦ファンはもちろん、スケールモデル入門にも最適です。あなたは青みがかった三菱派か、黄みがかった中島派か──ぜひ二つの五二型を作り比べ、その違いを自分の目と手で確かめてみませんか? いずれも税込4500円です。

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まつり堂模型店
住所 : 山口県下関市幸町1-9 永冨ビルⅡ101
電話番号 : 083-292-7306
FAX番号 : 083-292-7306


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