プラモデルのランナー、捨てるだけじゃもったいない!
2025/08/27
プラモデルを作り終えると必ず出てくるのが「ランナー(枠)」です。パーツを切り離した後に残るあのプラスチックの骨組み、皆さんはどうしていますか? 多くの方はゴミ箱に直行だと思いますが、実はランナーにはさまざまな再利用の道があります。今回は、そんなランナーの活用法をいくつかご紹介しましょう。
環境の観点から
まず考えたいのは環境問題です。ランナーの素材は多くがポリスチレン。リサイクル可能なプラスチックです。自治体によってはプラゴミとして分別回収が可能な場合もあります。「ただのゴミ」ではなく、資源としてもう一度活かすことができるのです。
また、バンダイが運営する 「ガンダムベース」などの大型公式施設や一部の模型店には、ランナー回収箱が設置されています。 ファンが持ち込んだランナーはリサイクル工程に回され、再生プラスチックとして新たな商品や部材に活用されます。これはメーカーとユーザーが一体となって環境負荷を減らす取り組みの一つであり、模型趣味が社会全体の循環型活動につながる好例です。
工作素材としての再利用
実はランナーは、模型工作にとても役立つ“万能素材”でもあります。
プラ棒・プラ材の代用品
ランナーを火であぶって引き延ばすと、細いプラ棒が作れます。アンテナや配管の自作に便利です。戦車や艦船のアンテナにするのは定番の使い道です。
補強材として活用
内部の見えない部分に貼り付けて補強したり、ジオラマの骨組みに使ったりできます。
瞬間接着剤の硬化促進材
細かく切ったランナーの粉を接着部分に振りかけると、隙間を埋めつつ補強する効果があります。
工場やメカの配管に見立てる
ランナーを切り出して曲げたり組み合わせたりすると、工場やSFメカの配管表現に最適です。ジオラマのリアリティを一気に高める小技として有効です。
こうした小技は、昔からモデラーの間で伝えられてきた知恵。市販のプラ材を買わなくても、工夫次第でランナーが立派な工作材料に変わるのです。
創作・遊びに広がる可能性
再利用は工作の枠を超えて、ちょっとした遊びにもなります。
ランナーアート
枠そのものを組み合わせてオブジェや立体作品にする試み。SNSでもユニークな作品が話題になっています。
塗装練習用パーツ
ランナーを短く切って塗料を試し塗りすれば、発色や乾燥具合を確認する“テストピース”になります。
教育素材として
子ども向けの自由研究で「プラスチックを熱するとどう変わるか」を観察する実験にも使えます。
まつり堂模型店からの提案
当店でも、お客様に「ランナーを再利用してみませんか?」とお声がけしています。工作講座では、ランナーを使った引き延ばし棒や、配管風のジオラマパーツの作り方を実演することも。さらに、近年広がる「ランナー回収」の取り組みを紹介しながら、環境意識を高めるお手伝いもしています。
プラモデルは完成させて終わりではなく、その過程や副産物も含めて楽しむ文化です。ランナーもまた、モデラーの工夫次第で新しい価値を生み出します。ぜひ次にプラモデルを作ったときは、「捨てる前にもうひと工夫」してみてください。
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まつり堂模型店
住所 : 山口県下関市幸町1-9 永冨ビルⅡ101
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