まつり堂模型店

デカールの寿命はどれくらい? ― 保管条件で大きく変わる耐久性

お問い合わせはこちら

デカールの寿命はどれくらい? ― 保管条件で大きく変わる耐久性

デカールの寿命はどれくらい? ― 保管条件で大きく変わる耐久性

2025/09/02

まつり堂模型店の店頭には、店長が過去に組んだ自動車モデルがいくつも並んでいます。 プラケース(WAVE T-Case M)の中に飾られたそれらの過去作を見ていると、ふと気づくことがあります。――10数年前に組んだ古い作品なのに、デカールはいまだに傷んだ様子がないのです。
 

一方で、同じようにトップコートを施したにもかかわらず、店舗の窓際にむき出しで飾ってある「ウルトラホーク1号」は、わずか数ヶ月でデカールが急速に劣化してしまいました。ケース内と窓際、わずかな環境の違いがこれほど結果を分けるのかと驚かされます。
 

さらに興味深いのは、店長がエーワンのデカールシートで自作した痛車用デカールです。メーカー純正品と同じように、いまのところ十分な耐久性を見せています。つまり「市販デカールか自作デカールか」というよりも、「どんな条件で保管するか」が寿命を左右する決定的な要因といえるのです。
 


良好な条件での保管とは?


では、具体的にどうすれば長く美しい状態を保てるのでしょうか。調べてみると、次のポイントが重要だとわかります。

・紫外線を避ける:直射日光や蛍光灯の強い光は、退色・劣化の大敵。

・温度と湿度を安定させる:高温多湿や乾燥の繰り返しは、フィルムの収縮を招く。

・ホコリや油煙から守る:クリア層の曇りやひび割れの原因になる。

・ケース内展示:物理的な摩耗を防ぎ、紫外線もある程度カットできる。

これらを守れば、10年以上たっても組み立て直後同様に見えることが十分可能です。
 


公式見解はあるのか?


実は、タミヤやハセガワなどの模型メーカーが「デカールは○年もちます」といった明確な耐久年数を公式に提示している例はありません。その代わり、模型愛好家や専門ブログでは次のような共通認識が見られます。

・経過年数よりも保管状態の良し悪しが寿命を大きく左右する

・10〜15年以上経っても使えるケースがある一方、数年で割れてしまうこともある

・近年の製品はオーバーコート層がしっかりしており、昔のように「水につけた瞬間に粉々になる」ような深刻な劣化は少ない

つまり、「何年もつか」よりも「どう保存するか」が重要というのが、模型界の実際の知見なのです。
 


まとめ


デカールの寿命は「何年」と一概に言えるものではなく、保管条件によって大きく変わるのが実感です。
ケース内で大切に守られたクルマのデカールは10年経っても美しく、窓際に置いたウルトラメカはわずか数年で退色。――そのコントラストが、保管環境の大切さを雄弁に物語っています。
 

「作品を長く楽しむ秘訣は、完成後のケアにある」――模型作りの面白さは、完成したその先にも続いているのかもしれませんね。

----------------------------------------------------------------------
まつり堂模型店
住所 : 山口県下関市幸町1-9 永冨ビルⅡ101
電話番号 : 083-292-7306
FAX番号 : 083-292-7306


----------------------------------------------------------------------

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。