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着艦できない“空母”!? あきつ丸の不思議な存在

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着艦できない“空母”!? あきつ丸の不思議な存在

着艦できない“空母”!? あきつ丸の不思議な存在

2025/09/05

大日本帝国海軍の艦船の中で、一番好きな艦の種類は?ととわれれば、店長は「空母」あるいは「航空巡洋艦」あるいは「航空戦艦」と答えます。かっこいいですよね。ところが、第二次世界展戦中に運用された艦船をつぶさに調べると、空母とは似て非なる船が見つかります。それが今回のブログのテーマの「あきつ丸」です。

海軍ではなく、大日本帝国陸軍が保有した「あきつ丸」は、一見すると空母のような姿を持ちながら、実際には揚陸艦として設計されたという、非常にユニークな存在でした。
 

あきつ丸は「丙型特殊船」と呼ばれる戦車揚陸艦で、戦車や兵員を直接敵地に送り込むことを目的に建造されました。最大の特徴は全通式の飛行甲板を備えていたことです。これにより、九九式襲撃機や九八式直協機といった陸軍機を艦上から発進させることが可能でした。
 

ただし、あきつ丸には着艦設備がなく、発艦した航空機は艦に戻ることができません。そのため運用は「陸軍の地上飛行場に着陸する」ことが前提でした。つまり、あきつ丸は揚陸作戦において、作戦海域近くまで輸送した航空機を前線へ送り出す“移動式滑走路”としての役割を担ったのです。これは戦後に登場する、あるいは「ガンダムジークアクス」の「ソドン」のような、「強襲揚陸艦」と同じ発想であり、時代を先取りした存在と言えるでしょう。
 


飛行機運用の具体例


あきつ丸の飛行甲板から発進できるのは、主に陸軍の中小型機でした。

・九九式襲撃機(双発軽爆撃機に近い支援機)

・九八式直協機(偵察・観測用)

後期には小型戦闘機の搭載も構想されました。


これらは、揚陸作戦での「即応航空支援」を狙ったものです。例えば南方作戦では、輸送中のあきつ丸から発艦した航空機が、占領予定地の飛行場へ直接飛行し、そのまま陸軍航空部隊として編入されることが計画されました。
 

つまり、あきつ丸は単なる空母ではなく、「航空機を輸送し、前線飛行場に送り届ける役割」を持っていたのです。作戦によっては、敵上陸地周辺で制空・爆撃支援を行い、その後は現地の飛行場に着陸して引き続き戦う、といったシナリオも想定されていました。
 

残念ながら実戦では十分な成果を上げられず、1944年に米潜水艦により撃沈されましたが、その発想は非常にユニークで、歴史に名を残す存在となりました。
 


模型で楽しむ「あきつ丸」


こうしたユニークな艦を手元で楽しめるのが、アオシマのウォーターラインシリーズ「1/700 あきつ丸」です。全長およそ30cm弱のスケールながら、飛行甲板、船体構造、搭載機までしっかり再現。戦車揚陸艦としてジオラマに仕立てても、空母風のシルエットを強調して飾っても楽しめます。
 

まつり堂模型店では、
アオシマ 1/700 ウォーターラインシリーズ No.584 あきつ丸
税込 3,400円 にて販売中です。

陸軍の発想力と時代のロマンが詰まった、異色の艦「あきつ丸」。ぜひ模型でその存在感をお楽しみください。

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