まつり堂模型店

氷川丸 ─ 戦争と平和を生き抜いた実物船の物語

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氷川丸 ─ 戦争と平和を生き抜いた実物船の物語

氷川丸 ─ 戦争と平和を生き抜いた実物船の物語

2025/09/08

1930年、横浜の造船所で一隻の貨客船が誕生しました。名を氷川丸。日本郵船のシアトル航路に送り出されたその船は、豪華な客室と最新の設備を誇り、横浜とアメリカを9日間で結ぶ外航客船として多くの旅人の夢を乗せて太平洋を渡りました。

白い波を切り裂き、異国を目指す人々の心を躍らせた氷川丸は、日本の近代海運を象徴する存在だったのです。しかし時代はやがて戦争へと傾き、1941年、氷川丸は徴用され、白い船体に赤十字を描いた特設病院船として再び洋上へと送り出されます。かつての華やかさは消え、今度は戦場から負傷兵や病人を救い出すために危険な海を航行することになりました。

潜水艦や機雷の脅威にさらされながらも氷川丸は奇跡的に沈まず、生き延びた数少ない大型船のひとつとして歴史に名を残します。終戦を迎えると今度は復員船となり、遠くに取り残された兵士や民間人を日本へ送り届け、甲板では祖国の山を望み涙を流す人々の姿が見られました。

その後、再び客船としてシアトル航路に復帰し、戦後の復興期を支え、人々を運び続けました。そして1960年に現役を退いた氷川丸は横浜・山下公園前に係留され、現在も実物そのままの姿で保存されています。戦前も戦中も戦後も生き抜いた“本物の氷川丸”が今もそこにあり、静かにその物語を語り続けているのです。

まつり堂模型店では、この氷川丸を1/700スケールで再現できるハセガワ製のキットを二種類ご用意しています。一つは太平洋航路を行き交った優雅な姿を再現した「日本郵船 氷川丸」、もう一つは白い船体に赤十字を描いた病院船仕様の「日本特設病院船 氷川丸」。同じ船でありながら全く異なる姿を並べて楽しむことができるのは模型ならではの醍醐味です。

豪華客船としての栄光、病院船としての試練、復員船としての希望、そして保存船として未来へ受け継がれる姿──氷川丸は一隻でこれほど多くの物語を背負ってきました。どうぞ、あなたの机の上で氷川丸をよみがえらせ、その歴史を模型を通じて追体験してみてください。

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まつり堂模型店
住所 : 山口県下関市幸町1-9 永冨ビルⅡ101
電話番号 : 083-292-7306
FAX番号 : 083-292-7306


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