なぜ「Mr.ホビー GH101 UVカットスムースクリア つや消し」でツヤが消えないのか?
2025/10/13
――筆塗り・エアブラシでも発生する“マットにならない現象”の原因と対処法
最近こんなご質問をいただきました。
「GSIクレオスの Mr.ホビー GH101 UVカットスムースクリア(つや消し)を使っても、ツヤが消えません。なぜでしょう?」
実はこれ、とてもよくあるお問い合わせです。塗料そのものが悪いわけではなく、“つや消しの仕組み”と“塗り方の相性”に理由があります。
●「つや消し」の正体とは
つや消し塗料には「フラットベース」と呼ばれる微粒子(主にシリカ)が混ぜ込まれています。この粒子が表面で光を乱反射させることで、私たちの目には“マットな質感”として映ります。
ところが、この粒子は非常に繊細で、溶剤の濃度・塗膜の厚さ・乾燥速度によって働き方が変わります。つまり、塗り方次第で“つや消しにもなれば、光沢にもなる”のです。
●原因① 希釈しすぎでフラットベース濃度が下がる
GH101をうすめすぎると、つや消し成分が薄まり、塗膜表面に十分な粒子が残りません。その結果、ツヤを打ち消す力が弱まり、光沢に見えてしまいます。
対策としては、原液7:うすめ液3程度を目安にし、薄く重ね塗りするのがおすすめです。筆塗りなら「とろみがある程度」に調整するとマット感が出やすくなります。
●原因② 厚塗り・乾燥不足で粒子が沈む
筆塗りや低圧エアブラシで厚く塗ると、フラットベース粒子が塗膜内部に沈み、表面が滑らかになります。結果として光が乱反射せず、ツヤツヤになります。
一度に厚く塗らず、2〜3回に分けて軽く吹くようにしてください。特にエアブラシでは、低圧で近距離から塗ると厚膜になりやすいので注意です。
●原因③ 乾燥環境と希釈溶剤の相性
湿度が高いと乾燥が遅れ、フラットベースが沈殿しやすくなります。また、水性・ラッカー系問わず、乾燥の遅い溶剤を使うとツヤが出がちです。
乾燥の早いうすめ液(Mr.カラーうすめ液など)を適量使用し、湿度50%以下の環境で塗装すると安定します。
●原因④ 撹拌不足
ボトル底に沈んだつや消し粒子を混ぜずに使うと、上澄みだけを塗ってしまうため光沢仕上がりになります。
GH101は特に沈殿しやすいタイプです。使用前に撹拌棒やミキサーで底の成分を完全に混ぜることが大切です。
●補足:さらにマットにしたい場合
どうしてもツヤが残る場合は、仕上げに「Mr.プレミアムトップコート つや消し(スプレー)」を軽く吹くと、より確実にマットに仕上がります。
また、フラットベース(つや消し成分)を少量加えて自分好みのマット度に調整する方法もあります。
●まとめ
GH101は高品質なUVカット機能を持ち、上品な“スムースマット”仕上げが特徴の塗料です。ただし、希釈率・塗膜厚・乾燥条件・撹拌の度合いによっては、つや消し効果が弱まることがあります。
しっかり撹拌し、薄く、乾燥を意識して塗る――この3つのポイントを守ることで、本来の美しいマット仕上げを引き出すことができます。
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