メッキ系ボーンペイントの正しい使い方
2025/10/24
── ボーンクロームII & ボーンミラーII 徹底解説 ──
模型塗装の世界で、鏡のような輝きを再現する“メッキ系塗料”は、長年モデラーの憧れです。
しかし同時に「うまく塗れない」「下地がムラになる」「トップコートでツヤが消えた」など、失敗しやすいジャンルでもあります。
そこで今回は、国産塗料メーカー・アミルの「ボーンペイントIIシリーズ」──とくに代表的な「ボーンクロームII」と「ボーンミラーII」──の正しい使い方を、公式資料をもとに整理してご紹介します。
■ ボーンクロームIIとは
高い反射率と深みのあるメッキ調の銀を再現する塗料です。
メッキ表現の基本ともいえるクローム仕上げで、ヘッドライトリフレクターやメッキホイール、戦闘機の金属パネルなどに最適です。
また、ベースの黒と光沢の関係が非常に繊細なため、下地の黒の美しさが仕上がりを大きく左右します。
■ ボーンクロームIIの使い方
1️⃣ 下地に光沢黒を塗る
黒の鏡面仕上げが命です。「45/アンダーブラックII」が特におすすめ。
他社製でも構いませんが、ツヤのある滑らかな黒を完全乾燥させてください。
2️⃣ ボーンクロームIIを“低圧・ふんわり”吹き付け
圧力は0.2MPa前後、薄く軽く吹き重ねるのがポイント。
厚塗りすると金属感が失われるため注意が必要です。
3️⃣ フィニッシュクリヤでコーティング
乾燥後、専用の「9/フィニッシュクリヤ」で優しく覆うようにコートします。
これにより輝きを守り、指紋や擦れにも強くなります。
この3ステップで、深いツヤと金属感のあるクローム表現が完成します。
※クリヤは必須ではありませんが、仕上がりと耐久性のために推奨されています。
■ ボーンミラーIIとは
「ボーンミラーII」は、クロームよりもさらに鏡面性を追求した高輝度メッキ塗料です。
塗膜は非常に繊細ですが、光の反射率はまさに“鏡”。
反射して景色が映り込むほどの仕上がりを得られます。
■ ボーンミラーIIの使い方
1️⃣ 下地に黒を塗装し、一日乾燥
ここでもアンダーブラックIIが最適です。
黒下地のツヤがボーンミラーの反射性能を決めるため、丁寧な仕上げを意識しましょう。
2️⃣ ボーンミラーIIを低圧で吹き付ける(推奨圧0.2MPa)
2時間程度の自然乾燥で落ち着きます。
この時点で十分な鏡面感が得られますが、塗膜はデリケートなので触れないように注意します。
3️⃣ 専用フィニッシュクリヤで保護コート(必須!)
ボーンミラーIIは非常に薄い塗膜のため、クリヤ層で保護しないと擦れや指紋で曇ります。
艶を保つには、透明度の高いトップコートを選ぶのがコツです。
これら3つの工程を正確に行えば、現在入手できる塗料の中でも最高クラスの鏡面仕上げが得られます。
ボーンペイントを使ったメッキ表現の完成度は、「下地の黒の仕上がり」+「クリヤコートの丁寧さ」で決まる、と心得てください。
■ 塗装時のコツ:低圧エアブラシを使う
ボーンペイントは微細な金属顔料を使っているため、通常の高圧塗装では粒子が潰れてしまいます。
推奨は0.2MPa前後。
日本製の静音コンプレッサーでは10Lタンク付きのものが適しています。
吹き出し口を狭め、やわらかく吹き重ねるとムラになりにくく、滑らかなメッキ面が作れます。
■ 新ベースカラーシリーズも登場
ボーンペイントIIの性能を最大限に引き出すために、アミルでは専用のベースカラーシリーズも展開中です。
従来のラッカー系黒を希釈して使うよりも、乾燥性・密着性・光沢再現性に優れており、
クロームやミラーの下地として最も安定した発色を得られます。
おすすめは「23/シャインブロンズ」「32/ブルーマイカ」「33/イエローマイカ」など。
下地の色を変えることで、メッキの色味も微妙に変化します。
“黒だけが正解”ではなく、用途に応じた色表現を楽しめるのも、ボーンペイントの魅力です。
■ まとめ:下地と吹き方が命
ボーンペイントIIシリーズは、エアブラシでそのまま使用可能な高品質塗料です。
ただし、一般的なメタリック塗料とはまったく異なり、
「下地の黒のツヤ」「低圧でのふんわり吹き」「仕上げの保護コート」──
この3点を守らないと本来の輝きは得られません。
磨き上げた黒の上に、薄く銀を重ねるように吹く。
それが、まるで鏡のように映り込む“究極のメッキ表現”への最短ルートです。
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