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モデラーのための素材選び講座:ウェーブ「AL-LINE」と「C-LINE」どちらを使うべき?

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モデラーのための素材選び講座:ウェーブ「AL-LINE」と「C-LINE」どちらを使うべき?

モデラーのための素材選び講座:ウェーブ「AL-LINE」と「C-LINE」どちらを使うべき?

2025/11/05

模型製作において、金属線はディテールアップや補強、工作の自由度を広げてくれる頼もしい素材です。中でもウェーブの金属線シリーズ「AL-LINE(アルミ)」と「C-LINE(真鍮)」は、工作派モデラーにとって定番アイテム。とはいえ、いざ店頭で並んでいると「どちらを選べばいいの?」と迷う方も多いのではないでしょうか。今回は、それぞれの材質の特徴と用途の違いをわかりやすく整理してみましょう。
 


■ AL-LINE(アルミ線)の特徴と活かし方


アルミ線の最大の特徴は「柔らかさ」と「軽さ」。力を入れずに手で曲げられるので、初心者でも扱いやすく、曲線工作やフレキシブルな形状変更に向いています。たとえば、メカの配線表現や、ドールスタンドの補助線、ジオラマの電線・アンテナ表現などに最適です。
 

また、表面の光沢が美しく、塗装せずにそのまま金属感を活かすこともできます。ただし柔らかいぶん、強度は低く、強く押すとすぐに変形してしまいます。構造材や軸打ちなど、力がかかる用途には不向きです。曲げ加工や仮組みで形状を探る「試作的な工作」には非常に便利な素材といえるでしょう。
 


■ C-LINE(真鍮線)の特徴と活かし方


真鍮線は、アルミ線と比べてはるかに硬く、弾力があります。そのため、曲げるときにはラジオペンチやベンダーなどの工具が必須。扱いには多少コツがいりますが、一度形を作ってしまえば変形しにくく、強度が必要な部分に最適です。
 

代表的な使い方は、可動部の軸、金属ピンによる補強、アンテナやマストなどの直線部表現など。ハンダ付けが可能な点も大きな魅力で、金属工作やスクラッチビルド派には欠かせない素材です。また、塗装のノリも良好で、下地処理をすれば表面仕上げも美しく決まります。
 


■ どちらを選ぶ? 用途別アドバイス


迷ったときの基本ルールは、「軽作業・曲線ならアルミ」「補強・精密なら真鍮」です。

アルミ線は柔軟で加工しやすく、曲げやすい表現をしたいときに。真鍮線は精度を求めたい部分、強度が必要な工作、あるいはパーツ同士の接続補強に使いましょう。
 

たとえば航空機モデルなら、ピトー管や脚柱補強にはC-LINE、機内配線の表現にはAL-LINEがベスト。戦車やメカモデルでは、手すりやアンテナ基部を真鍮で、ホースやケーブル部分をアルミで作ると、硬軟のコントラストが生まれ、リアリティが格段に増します。
 


■ モデラー目線のひと工夫


どちらの素材も、先端を軽くヤスリで整えたり、下地をペーパーで擦ることで塗料や接着剤の食いつきが向上します。アルミは瞬間接着剤、真鍮はハンダまたはエポキシ系接着剤を使うと安定します。
 

さらに、ウェーブ製の線材は太さのラインナップが豊富なので、細径の0.3mmから太径の2mmまでを揃えておくと、ほとんどのスケールモデルに対応可能。用途に応じて“素材のキャラクター”を意識するのが上達の近道です。
 


■ まとめ:素材の特性を味方に


AL-LINEは「しなやかで自由」、C-LINEは「堅実で頼もしい」。どちらが優れているかではなく、用途や表現したい質感によって使い分けることが重要です。模型づくりは、素材との対話でもあります。手の感触、工具の抵抗、仕上がりの表情――それらを感じながら、自分なりの“金属線使い”を磨いていきましょう。

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