まつり堂模型店

娘への愛ゆえに犯してしまった過ちだが、これはまさしく父娘愛の結晶~ビオランテ

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娘への愛ゆえに犯してしまった過ちだが、これはまさしく父娘愛の結晶~ビオランテ

娘への愛ゆえに犯してしまった過ちだが、これはまさしく父娘愛の結晶~ビオランテ

2026/02/26

今日、まつり堂模型店にフジミ模型の「ビオランテ」キットが入荷しました。税込 5800円です。

怪獣キットは、正直に言えばガンプラほど回転が速い商品ではありません。
ウォーハンマーの新製品のように予約で埋まる世界でもない。
それでも、私はこのキットが入荷すると、どうしても語らずにはいられなくなるのです。
 

なぜ模型屋が、怪獣の、しかもビオランテについて、こんなにも熱くブログを書くのか。

理由は単純です。

ビオランテは「造形がすごい怪獣」だからではありません。
「人気があるから」でもありません。
 

それは、物語を内包した存在だからです。
 

模型店という場所は、単にモノを売る場所ではないと私は思っています。
そこには、物語を売る側面がある。

そしてビオランテほど、“物語を背負った怪獣”は他にいないのです。
 

1989年公開の『ゴジラvsビオランテ』。
そこに登場するビオランテは、破壊の象徴として生まれた怪獣ではありません。

彼女は、父娘愛から生まれました。
 


娘を永遠に残したいという、あまりにピュアな動機


物語の中心人物は、生物工学者の白神源壱郎博士。

彼はテロによって最愛の娘を失います。

突然の別れ。
何も伝えられないまま、永遠に断ち切られてしまう親子。
 

博士は、娘の遺伝子を植物に組み込み、存在を永遠に残そうとします。
そこへゴジラ細胞が融合し、ビオランテが誕生する。
倫理的には禁忌です。
科学者として越えてはならない一線。

遺伝子とは情報です。
その人が確かに存在した証でもあります。

だからこそ、
「娘の遺伝子を消したくない」
という博士の願いは、科学者としてはあまりに自然で、あまりにピュアなのです。
 


なぜ私はビオランテに心打たれるのか


ビオランテが芦ノ湖に静かに佇む姿。

あの場面を思い出すたび、私は胸が締めつけられます。

それは怪獣ではない。
そこに見えてしまうのは、博士の愛した娘さんの姿なのです。
 

異形の植物怪獣へと姿を変えても、その体内には確かに遺伝子がある。
娘の存在の痕跡が、そこにある。

別れを告げることもできず、永遠に引き裂かれてしまった父娘。
その悔しさ。
その悲しさ。
 

湖面に浮かび、微動だにしないビオランテの姿に、
私はその感情を重ねてしまうのです。

怒りではない。
破壊衝動でもない。

ただ、存在してしまった悲しみ。

だからこそ、ビオランテは私にとって「怪獣」という言葉では収まりきらない存在なのです。
 


ビオランテの最期と、科学者の良心


物語の終盤、博士は自らの研究を止める決断をします。

愛から始まった実験が、世界を脅かす存在へと変わってしまった。
娘を守りたいという願いが、娘を怪物として苦しませてしまった。

そこで博士は、父としてではなく、科学者としての責任を選ぶ。


科学は力です。
そして力には責任が伴う。

自ら生み出した存在を制御できないと悟ったとき、
博士はその暴走を止める側に立つ。

それは愛を否定したのではありません。
むしろ、娘をこれ以上“怪物”として縛りつけないための選択だったのではないか。
 

ビオランテは最期、光の粒となって空へ昇っていきます。

あれは消滅ではなく、解放に見えます。

そこには、科学者としての良心と、父としての祈りがあったと思うのです


だから模型屋はビオランテを語る


模型とは、形を作る行為です。

しかし、形の奥にある物語を知ったとき、
その模型は単なるプラスチックの集合体ではなくなります。
 

フジミのビオランテを組むとき、
触手の一本一本を接着しながら、
湖に佇む姿を思い出す。

あの怪獣は、父娘愛の結晶だったのだと。
 

まつり堂模型店は、ただ商品を棚に並べるだけの場所ではありません。
そのキットが背負っている物語を、一緒に味わう場所でありたい。

だから私は、ビオランテが入荷すると、どうしても語ってしまうのです。
 

怪獣の中で、最も人間らしい怪獣。

娘への愛ゆえに犯してしまった過ち。
しかしそこにあった感情は、間違いなく本物だった。
 

フジミのビオランテは、ただの怪獣キットではありません。
それは、父娘愛という物語を手のひらに載せる模型なのです。

店頭で、ぜひ箱を手に取ってみてください。
そこには、恐怖ではなく、静かな愛の物語が封じ込められています。

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まつり堂模型店
住所 : 山口県下関市幸町1-9 永冨ビルⅡ101
電話番号 : 083-292-7306
FAX番号 : 083-292-7306


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