まつり堂模型店

あの日の夜行バス ― 店長おびおと『エアロキング』の思い出」

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あの日の夜行バス ― 店長おびおと『エアロキング』の思い出」

あの日の夜行バス ― 店長おびおと『エアロキング』の思い出」

2026/03/11

まつり堂模型店では 1/150 スケールのバスミニチュア、トミーテックの『バスコレ』を扱っています。お得な 1000円バスから、豪華ケース入りの 50,000円のバスセットまで、全国各地のカラフルなバスが手のひらサイズに統一スケールで作られており、コレクションするだけでも楽しい商品ですが、「バスコレ走行システム」を使えば、一部のバスは走らせることもできます。ぜひお買い求めくださいね。

さて、店長おびおは、幼いころからバスが大好きです。鉄道や飛行機が好きな人は多いですが、店長にとって特別な存在はバスでした。小さい頃は、街で見かけたバスを、家に帰ってからせっせとノートに記憶頼りのスケッチをして、バスのイラストを収集していました。

そんなことをしているとだんだんバスに詳しくなってきて、おびおが大学生の頃に発刊された雑誌『バスラマ インターナショナル』は当然のように愛読書になりました。

自家用車同様に、バスにも様々なメーカーから発売されている、さまざまな車種があります。なかでも、強いあこがれを抱いているのが、国産二階建てバスの三菱ふそう「エアロキング」です。
 

とにかく巨大で、そしてカッコいい。道路をゆっくりと進んでくるその姿は、まるで陸上を走る客船のようでした。二階建ての長い車体、黒く大きな窓、堂々としたフロント。普通のバスとはまったく違う存在感があり、初めて見たときの驚きは今でも忘れられません。
 

かつて、このエアロキングは 下関と東京を結ぶ夜行高速バスに使われていました。店長おびおが会社員だったころ、東京への出張の際には、もっぱらこの二階建てバスの夜行便「ふくふく号東京」を利用していました。

東京駅の八重洲口バスターミナルでバスを待っていると、やがて「ふくふく号東京」の巨大なエアロキングがバス停に姿を現します。当時、二階建てバスを夜行便で運行していたのはこの路線のみでしたので、東京でさえまだまだ二階建て路線バスは珍しい存在でした。

茨木や筑波方面への長距離バスで帰路につく勤め人でにぎわう日常風景のバスターミナルに、突如現れる巨大なエアロキングは、皆が見上げる存在であり、「下関駅」と表示されたその方向幕は、東京の人々に下関のすごさを知らしめるアイコンでもありました。

「どや、自分は今からこれに乗るぞ!」

なんとなく自慢げにバスに乗り込み、一階の豪華なサロンに目配せをして、車内の階段をのぼり、二階の客席で自分の予約席を見つけて、豪華な一人がけのシートに座ると、先ほどの人々をまさに「眼下に見下ろす」風景となります。
 

東京への往復は、新幹線や飛行機という選択肢もありましたが、あえて夜行バスを選ぶ理由がありました。それは、夜の高速道路を走り続ける独特の旅の雰囲気が好きだったからです。寝台列車とは違い、途中でバス停停車することもなく、ただ静かに下関へ向かって走り続けます。窓の外には、夜のサービスエリアの灯りや、遠くに見える街の光が流れていきます。
 

そして、この夜行バスにはもう一つ、特別な空気がありました。

それは、乗っている人のほとんどが 下関と何らかの関係を持つ人たちだということです。出張に向かう人、東京で働く人、故郷へ帰る人、あるいは観光で訪れた人。理由はさまざまですが、みんなが「下関」とつながっています。
 

二階席は静かで、誰も会話をしているわけではありません。しかし同じバスの中で同じ夜を過ごしていると、なんとなく仲間のような、不思議な安心感が生まれます。あの空気が、店長はとても好きでした。
 

しかし、そんなエアロキングも、もう新しく作られることはありません。国産の二階建てバスはすでに製造が終了してしまいました。エアロキングの生産が終わってから、すでに十数年が経ち、実車も少しずつ引退していっています。
 

もちろん現在でも、日本の高速バス路線には二階建てバスが走っています。ただし、その多くは海外製の車両です。性能は優れていますし、ヨーロッパの街並みにはよく似合うデザインなのでしょう。
 

けれども、店長にはどうしても、あのヨーロッパ風のスタイルが日本の風景にしっくりと溶け込んでいるようには見えません。日本の高速道路、日本のサービスエリア、日本の街並みには、やはりエアロキングのような国産車のデザインがよく似合っていたように思うのです。


だからこそ、模型を見るとつい手が止まってしまいます。小さな模型の中に、あの巨大な二階建てバスの姿が再現されていると、つい当時のことを思い出してしまうのです。
 

夜の下関を出発し、静かな車内で過ごす長い時間。気がつくと、朝の光の中に東京の街が見えてくる。
 

あの日のエアロキングの旅が、今では少し懐かしく感じられます。
 

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