まつり堂模型店

まつり堂模型店の店頭価格のつけ方(新品編)

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まつり堂模型店の店頭価格のつけ方(新品編)

まつり堂模型店の店頭価格のつけ方(新品編)

2026/05/21

商品の値段のつけ方はとても複雑なんです

模型店の価格というのは、外から見ると不思議に見えることがあるかもしれません。
「なぜこの店は安いのか」
「なぜ同じ商品なのに店によって値段が違うのか」
「あとから安くなるなら、発売日に買うと損なのでは?」
模型ファンなら、一度は考えたことがあると思います。

今回の店長おびおのコラムは、まつり堂模型店が新品商品の価格をどのように決めているのかを書いてみます。

ただし、これはあくまで“まつり堂模型店の場合”です。 模型店ごとに事情も考え方もまったく違いますし、業態や客層によっても大きく変わります。 ですので、「模型店業界の正解」という話ではなく、「下関の小さな模型店では、こんなことを考えながら値段を付けています」という読み物として読んでいただければと思います。

🚙「メーカーが値段を決めている」は、実は違う

一般の方は意外に思われるかもしれませんが、模型メーカーや問屋が、小売店に対して「この値段で売ってください」と強制することは、基本的にはできません。 これは独占禁止法の考え方によるものです。

たとえば、もしメーカーが、
「定価より安く売った店には商品を卸しません」
「全国一律この価格で売りなさい」
ということをやってしまうと、お店同士の自由な競争がなくなってしまいます。

すると、最終的に困るのはお客様です。 安く買えるチャンスもなくなりますし、店ごとの工夫もなくなります。 極端に言えば、全国どこの店でも、まったく同じ値段、同じ売り方、同じサービスになります。 それでは市場が硬直してしまう。 だから日本では、「販売価格は最終的には小売店が決める」というのが大原則になっています。つまり、模型店の価格というのは、その店の考え方や事情が、かなり色濃く反映されるものなのです。

🚙一番大きいのは、やはり仕入れ価格

まつり堂模型店で価格を決める際、もっとも大きい要素は何か。 それは、やはり「仕入れ価格」です。 模型ファンの方でも、ここは意外と知られていないかもしれません。

実は、模型業界はメーカーやブランドによって卸率がかなり違います。
同じ1万円の商品でも、 「比較的利益が取れる商品」もあれば、 「ほとんど利益が残らない商品」もあります。

本当に極端な話をすると、1万円売って利益500円、という商品も普通にあります。 しかも、その500円が丸々利益になるわけではありません。 そこから、

・クレジットカード手数料(これは意外と大きい)
・通販サイト手数料(Amazon にはがっぽり持っていかれる💦)
・梱包材
・送料(これは、お客様にご負担いただいています、ありがとうございます)
・光熱費
・家賃
・在庫リスク
など、さまざまな経費が消えていきます。

特に模型店は、「売れなかった在庫」がかなり重い業種です。
食品のように賞味期限があるわけではありませんが、その代わり、商品点数が異常に多い。まつり堂模型店のような街の小さな模型屋でも、数万点の在庫を抱えています。 

しかも、お客様の趣味が非常に細かく分かれています。 ある人には宝物のようなキットでも、別の人にはまったく興味がない。 だから「大量に仕入れて全部売り切る」というのが、なかなか難しい世界です。

そのため、まずは「この商品を売って、店として成立するのか」という部分を、かなり現実的に考えます。

🚙「市場価値」は、模型の世界ではとても大きい

次に重要なのが、市場価値です。 これは非常に難しい概念です。市場価格と市場価値は、似ているようで、実は少し違います。

市場価格というのは、今現在、実際にどれくらいの値段で売買されているか。 一方、市場価値というのは、 「欲しい人がどれくらいいるのか」 「今後入手しやすいのか」 「代わりがあるのか」 といった、“需要と希少性”を含んだ概念です。

模型業界では、この市場価値の変動がかなり大きいジャンルがあります。 その代表が鉄道模型です。 鉄道模型は、新製品発売直後に市場へ大量投入されます。 つまり、「今ならどこでも買える」状態です。 営業的に言えば、この時期は市場価値が低い。 だから、価格も比較的安くなります。

ところが数年経つと話が変わります。 生産終了になり、市場から姿を消し始める。 欲しい人はいるのに、商品がない。 すると、一気に市場価値が上がります。 鉄道模型ファンの方なら、 「発売時より中古のほうが高い」 という現象を、一度は見たことがあると思います。

まつり堂模型店では、鉄道模型はこの市場価値の変動が非常に大きいことから、鉄道模型のみ「市場価値に応じたダイナミックプライシング」を採用しています。 ですので、鉄道模型に関しては、「発売直後に買う」のがもっともお得です。 これはかなり明確に言えます。

🚙「あとから安くなる」は、できるだけ避けたい

逆に、まつり堂模型店では、 「発売日に買った人が損をする」 という状況を、かなり強く避けています。 これは店長として、昔からあまり好きではない売り方だからです。

楽しみにして予約して、発売日に買ってくださったお客様が、 「あれ? 数か月後のほうが安いじゃん……」 となるのは、あまり気持ちの良いものではありません。

もちろん、こどもの日にはお子さん向けの商品の値引き率を高くしたり、年始にはお買い得な福袋を出したりはします。 ですが、少なくとも基本方針として、 「いつ買っても同じ価格」 あるいは 「早く買ったほうがお得」 になるようには意識しています。
ですので、「欲しい」と思ったタイミングで安心して買っていただければと思っています。

🚙実は、リアル他店の価格はあまり気にしていない

よく、 「他店を見て価格を決めているんですか?」 と聞かれます。 実は、リアル店舗については、そこまで気にしていません。 というより、ほとんど価格調査していません。理由は、メンドクサイから。時間をかけて他の店の価格を見に行くくらいなら、その時間を、店内の棚の整理や、主催イベントの準備に充てたいです。  もちろん、まったく見ないわけではないですが、常時監視しているようなことはありません。

なぜか。 一番の理由は先ほど描いた通り「メンドクサイ」からなのですが、別の理由としては、リアル店舗というのは、単純な価格比較だけではないからです。

店の雰囲気、接客、在庫、距離感、相談のしやすさ、居心地。 そういうものも含めて、お客様は店を選ばれます。 だから、リアル店舗同士は「完全な価格競争」には、実はなりにくい。

ですが、Amazonやネット通販は別です。
ネットは、数秒で全国比較できます。 しかも、お客様は自宅から自由に全国の店を選べる。 そうなると、高い店は選ばれません。

だから、予約商品や Amazon商品は、かなり真剣にネット価格を意識しています。 予約商品の値引率が高いのは、そのためです。もちろん、店頭受け取りのお客様にも、ネットと同じお安い条件で予約販売しています。

🚙店長の「売りたい」が、価格にかなり影響する

そして最後に、実はかなり大きいのが、「店長がどれくらい売りたいか」です。これは本当に価格へ影響します。

たとえば、 「これは絶対楽しい」 「もっと多くの人に知ってほしい」 「模型趣味の入口になる」 と思っている商品は、かなり頑張った価格になることがあります。

スケールモデルやシタデルカラーの常時割引や、Nゲージ入門セットの利益を度外視した特価販売は、その代表です。

逆に、工具のように、 「お客様によって必要なものが全然違う」 「価格だけでは選べない」 という商品は、メーカー希望小売価格(「定価」といわれるもの)で販売することも多いです。

また、転売の対象になりやすい商品も、あまり値引きはしません。 代表例はガンプラですね。 極端な値引きをすると、本当に欲しい人ではなく、“転売目的”だけが集まってしまうことがあります。 それは、模型店としては、あまり望んでいません。

🚙最後に

他店さんが、どういう考えで価格を決めているのかは、全く知りません。 ですが、少なくとも、まつり堂模型店では、
・店長の気分で突然値段が変わる
・早く買った人が損をする
ということだけは、できるだけ起こさないようにしています。

リアル店舗でも、ネット通販でも、価格に納得していただけたなら、あるいは、他店と同じ価格なら、ぜひ、まつり堂模型店を選んでいただけるとうれしいです。 親切丁寧な接客と梱包・発送なら、どこのお店にも負けないつもりです。

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