フェラーリのプラモデルが少ないのはなぜ?
2025/05/22
~赤い跳ね馬のキットが“幻”になる理由~
まつり堂模型店には、さまざまなスーパーカープラモデルが並んでいます。
ランボルギーニ、ポルシェ、マクラーレン──どれも迫力ある造形で、憧れの1台を自分の手で組み立てられるのは模型の醍醐味です。
しかし、こうした中でいつも聞かれる声があります。
「フェラーリのプラモデルって、どうしてこんなに少ないんですか?」
実はこの“赤い跳ね馬”ことフェラーリ、プラモデルの世界ではちょっと特別な存在なのです。今回は、その理由について、模型店視点から少し解説してみます。
ブランドを守る「フェラーリの厳格なライセンス管理」
フェラーリは、車そのものだけでなくブランドイメージそのものを非常に大切にする企業です。そのため、プラモデルやミニカーといったスケールモデルにも厳しいライセンス契約を課しています。
モデル化にあたっては、エンブレムの正確な使用や、車体のプロポーション、パッケージのデザインに至るまで、細かく条件が定められており、これに違反すると製品化はできません。模型メーカーにとっては、これがコストや開発の自由度の大きな制約となります。
独占ライセンスとメーカーの縛り
かつてフェラーリは、ある期間特定のメーカーに対してのみ独占的な製品化ライセンスを与えていたことがあります。ミニカーではホットウィール(マテル)、プラモデルではレベルやモンモデルなどがこれにあたります。
そのため、他の大手模型メーカー(タミヤ、フジミ、アオシマなど)は新製品を出せなくなる時期がありました。
たとえば、フジミやタミヤがかつて発売していたF40やテスタロッサなどの名作キットも、今では再販が難しく、中古市場でしか見かけない“幻のキット”になってしまったのです。
「高級感」を守るための制約
さらにフェラーリは、自社の車が持つ“ラグジュアリーブランド”としての価値を維持するために、安価なホビー商品に名前が使われること自体にも非常に慎重です。
「誰でも手にできる安いおもちゃ」ではなく、「所有することが特別な存在であるべき」というフェラーリ哲学が、プラモデル界にもそのまま反映されているわけです。
それでも、フェラーリは人気がある
現在でも、フェラーリのプラモデルは存在はしています。
近年では、中国の模型メーカー「モンモデル(MENG)」がフェラーリの最新車種(F8 Tributoや488 GTBなど)を1/24スケールで精密に再現したキットを発売しています。ただし、価格帯はやや高めで、在庫も限られており、入荷してもすぐに完売してしまうことがほとんどです。
フェラーリのプラモデルが少ないのは、「人気がないから」ではなく、人気がありすぎて、ブランドとして徹底管理されているからなのです。
だからこそ、もしお店でフェラーリのキットを見かけたら、それはちょっとした“奇跡”かもしれません。
まつり堂模型店でも、もし入荷できた際にはすぐにお知らせします。
赤い跳ね馬を手にするチャンスを、どうぞお見逃しなく!
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まつり堂模型店
住所 : 山口県下関市幸町1-9 永冨ビルⅡ101
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