人はいつしかマンダラガンダムにたどり着く
2026/05/16
笑い者にされるのを承知で💦正直に言います。
「マンダラガンダム」、店長おびおは好きです。
マンダラガンダムの登場する『機動武闘伝Gガンダム』という作品は、ガンダムシリーズの中でも特に「自由」なデザインが多い作品ですが、その中でもマンダラガンダムは異彩を放つ存在でした。放送当時は「なんだこれは!?」と驚いた記憶がありますし、店のお客様がおっしゃるには当時「これでガンダムも終わった」と思われたのだそうです。
若い頃の私は、そのお客様と同じく、この機体を正直「色物モビルスーツ」だと思っていました。
Gガンダム特有の、各国イメージを極端に誇張したコミカル枠。
ところが歳を重ね、模型を何千、何万と見続け、さらに暦が一巡し「悟りを開かねばならない年齢」になってくると、この機体の異様な完成度に気づいてしまうんです。
これは単なるネタ機体ではなく、かなり本気で「曼荼羅」をロボットに落とし込もうとしていることがわかります。
まず、「曼荼羅」というもの自体が非常に面白いものだと思います。一時期、アジア各国の宗教遺跡にドハマリした経験がある私は、マンダラガンダムをこう解釈しました・・・・
曼荼羅は一般には「円を描いた仏教の絵」くらいのイメージですが、本来は“宇宙そのものを図式化したもの”です。
中心には絶対的存在としての仏様。
そこから同心円状・幾何学的に世界が広がっていく。
重要なのは、「個」ではなく「全体構造」なんです。
だから曼荼羅では、
・宇宙一美しい図形である円
・輪廻転生につながる対称性
・宇宙はフラクタルであることを示す反復
・にもかかわらず、仏様がおられる中心性
・形の有無にかかわらずあらゆるものが巡り巡る循環性
が極端に重視されます。
つまり曼荼羅とは、「世界を秩序立てて並べた構造美」なんです。
で、その視点でマンダラガンダムを見ると、それが恐ろしいほどそれが徹底して織り込まれているのです。
まず数珠。
普通のロボットデザインなら、球体を連続配置すると単調になります。ところがマンダラガンダムは、その“反復”そのものを武器にしている。球体が延々と連なることで、「リズム」が生まれているんです。
これは完全に曼荼羅の思想です。
曼荼羅は、同じパターンの繰り返しによって精神を集中させる側面があります。見続けることで、感覚が日常から離れ、精神世界へ入っていく。数珠も同じです。珠を一つずつ繰ることで意識を整える。
つまりマンダラガンダムの腕は、単なる数珠モチーフではない。
“精神性そのもの”を造形化しているのです。
ここが凄いと思います。
さらに面白いのが、「丸」の支配力です。
最近のロボットメカは、とにかくエッジを立てる方向にあります。鋭さ、情報量、メカ感。アルファードにも通じるイキッたデザインともいえるでしょうか。
ですが、マンダラガンダムは逆。丸、曲線、円筒、反復で成立しています。
しかもその丸が、「柔らかさ」と「異様さ」を同時に生んでいます。
これは仏像にも近い感覚です。
仏像って、筋肉表現を極端にリアルにはしません。むしろ滑らかな面と曲線によって、“人間を超えた静けさ”を表現する。マンダラガンダムの鐘型ボディにも、それを感じます。また、丸のつながりは仏様の頭「螺髪(らほつ)」を思い出さずにはいられません。螺髪は超越性も意味します。それは、この造形が唯一無二であることとも通じます。
この「静けさ」は年齢を重ねると妙に分かってくるんです。
若い頃は、強さとは「速さ」や「火力」でした。
でも今は違います。
何者にもおびやかされない、何者にもまdぽわされない、一本信を通す“揺るがなさ”に惹かれるのです。
マンダラガンダムには、それがあるのです。
巨大な鐘のような胴体(?)。
重心の低い構え。
ゆっくりと動きそうなシルエット。
全身を支配する円と曲線。
あれは「戦うロボット」というより、“そこに在るもの”なんです。
だから立体物として異様に強い。そして尊い。
写真で見ると変な機体なのに、実際に模型になると突然説得力が出る。曲線と反復が、立体になった瞬間に空間を支配し始めるんですね。
錫杖を手に静かに合唱する姿はもはや「仏教美術」です。
残念なことに、若い頃の私は、この面白さが分からなかったのです。
でも、暦が巡った今なら分かります。
人は歳を重ねると、いつかマンダラガンダムに辿り着くのかもしれません。
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